2024年7月20日

忍術〜水の上を走る?〜|にんぱくブログ|体験

NINJA

一説によると忍者は水の上を走ることができたと言われています。確かに、そのようなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。実際に水の上を走るには、人間なら秒速30mmの速度が必要となります。分速では1800m、時速では108㎞です。これはいくら超人的な忍者だとしても不可能と考えるべきでしょう。ただし、そのように言い伝えられるほど忍者は俊敏でした。

忍者は走ることに関しても修行していたため、足は相当、速かったと考えられます。高度なバランス感覚と巧みな重心移動を身につけることで、いかなる状況でもスピードを落とさずに走ることができました。

もうひとつ、忍者が水の上を走るイメージがついた理由は、事前に移動経路を徹底的に調査・研究し、街中から山の中まで近道や抜け道をすべて知り尽くしていたからだと言われています。川などでは、浅瀬や石を伝って渡れる場所を熟知していました。修行で培った足の速さと、事前の下調べの結集が、水の上を走れるほどの速さをもっていると錯覚させたのかもしれません。

山の中で近道や抜け道を調査する作業は、その、まま足場の悪い山道を移動する修行にもつながりました。

忍者の潜水能力

水のつながりで、忍者の潜水能力について書いていきたいと思います。
忍者は陸上の修行だけでなく、水中での修行もしていました。肺活量を高める訓練に力を入れ、水を満たした樽の中に首を入れて、10分あまり耐えられたといわれています(藤田西湖『忍術秘録』)。現在の潜水時間の世界記録は、11分35秒です。この記録から考えると、忍者が10分間潜水できたという説は信憑性が高いといえるでしょう。

泳ぎとしては、最小限の動きで音や水しぶきを立てずに泳げる「のし」という古式泳法を習得していました。のしで泳ぐことにより、気配を消したまま、重い刀や忍具を携えて長い距離を泳ぐことができたのでしょう。

しかし、さすがの忍者も水の中では素早く動けず、水に濡れて衣服も重くなるため、水に入るのはいざという時のみに限られていました。逆に刀や忍具の重さを利用して、泳がずに水底を歩いて移動することも多かったのです。

水底を歩く場合は、大きめの石を拾って懐に入れ、潜るのではなく、必ず体が沈むようにしていました。水底を歩く動きに特化すれば、泳ぐよりも体力を温存することができるため、息もより長く続きました。水中を移動することで敵から見つかりにくくなる効果もありました。

終わりに

このブログを運営しているにんぱくには、忍者が実際に使っていた忍具が展示されています。群馬県の北西にある東吾妻町に、にんぱくはあります。吾妻地域は真田氏が支配していたころ、忍びの者として真田家に仕えていた忍者がいました。岩櫃城と言えば歴史好きの方はピンと来るかもしれません。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。これからもにんぱくをよろしくお願いいたします!

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