2024年9月12日

忍術〜忍び六具と現代の六具編〜|にんぱくブログ|体験

NINJA

『正忍記』には、忍者が用いる6つの道具について記されています。いずれも、日常生活に根付いたシンプルなもので、応用範囲も広いです。ただし、いつもすべてを持ち歩くと、動きにくいだけでなく、落とせば忍者と知られる危険があります。臨機応変に取捨選択することが大切で、同じく『正忍記』には、「できれば針ほどの道具も持つべきではない」ともあります。

編笠(あみがさ)

武士、浪人、虚無僧たちがよくかぶっていた編笠です。自分の顔を隠したまま、相手の顔や周囲の景色が見えるので、忍者もよく用いていました。さらに笠の裏に、秘密の文書や矢を隠すこともありました。

現代なら編笠は「日傘」で代用!
最近は男性向けの日傘も販売されていて、売れ行きもそこそこ良いらしいです。男性が日傘をさしていても違和感なく風景に溶け込めるでしょう。暑さ対策にもなり、顔を隠しながら相手を観察することもおそらくできるでしょう。ただし、あまりにも不審な挙動をしていると、警察に職務質問などされるかもしれませんので、忍者ごっこもほどほどにお願いいたします。

鉤縄(かぎなわ)

縄の先に鉤をつけたものです。堀を登り降りするときの道具というイメージがありますが、敵を縛ったり、船を桟橋に結びつけたりして、逃走時間を確保するといった使い方もありました。鉤の形は目的に合わせて様々な形をしていました。

現代なら鉤縄は「ロープ全般」で代用!
登山には命綱になるクライミングロープ、キャンプではテント作りなどに適したアウトドアロープなど、目的に合わせてロープを選びましょう。通勤カバンに避難用ロープを忍ばせておけば、何かがあったときに、ヒーローになれるかもしれません。通勤カバンではなくても、避難用ロープは防災グッズとして家に一本は置いておきたいものですね。

打竹(うちたけ)

さまざまな火器を駆使していた忍者は、火種を欠かさず持ち歩いていました。打竹は、竹筒の先に硫黄を塗って火付けを良くしたものです。火器のほか、灯りや暖を取ったり、のろしを使う際に重宝したのでしょう。

現代なら打竹は「ライター」で代用!
火の扱いには気をつけましょう。

印籠(いんろう)

印籠には、毒薬、睡眠薬、傷薬、解毒剤などを用途に合わせて入れていました。当時の人々を悩ませたのが、回虫、ぎょう虫、サナダ虫といった寄生虫が引き起こす腹痛。虫薬(腹痛用の薬)も欠かせませんでした。

現代なら印籠は「スマホショルダー」で代用!
ハンズフリーで、現代の人々に欠かせないスマホを持ち歩くことはとても大切なことです。当時の人々にとっては寄生虫の蔓延がいちばん頭を悩ませるものでした。現代の人々の生活を支えているのはデジタル化された情報です。熱中症で具合が悪くなったら、すみやかにスマホで119にかけましょう。

矢立・石筆(やたて・せきひつ)

矢立は墨と筆のセットです。石筆はチョークのようなもので、石にも書くことができる筆記具です。いずれも記録や仲間への伝言などに用いられました。これらの道具から、忍びは読み書きができたことが分かります。

現代なら矢立・石筆は「筆記用具」で代用!
ボールペンと油性マジックペンがあれば解決しますね。諜報活動に携わっていたとしても、観光地での落書きは控えましょう。

三尺手拭(さんじゃくてぬぐい)

三尺(役91cm)の手ぬぐいです。ほおかむりや包帯として使用したほか、縄に継ぎ足す、水を濾して飲料水を作るなどさまざまに用いられました。殺菌作用のある蘇芳(すおう)という植物で染められていたと言われています。

現代なら三尺手拭は「蘇芳染ストール」で代用!
蘇芳というのはとても綺麗な色に染まります。赤や紫、ピンク色など、とても植物染とは思えない美しい色です。夏は冷房よけに、冬はもっと厚めの布のストールで、マフラーや膝掛けに使えます。もしものときには包帯にもなります。ユニセックスなデザインのものもありますので、ふだんストールになじみのない男性にもおすすめです。

終わりに

このブログを運営しているにんぱくには、忍者が実際に使っていた忍具が展示されています。群馬県の北西にある東吾妻町に、にんぱくはあります。吾妻地域は真田氏が支配していたころ、忍びの者として真田家に仕えていた忍者がいました。岩櫃城と言えば歴史好きの方はピンと来るかもしれません。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。これからもにんぱくをよろしくお願いいたします!

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