NINJA
忍者は暗闇や雨の日でも活動しなければなりませんでした。特に雨の日の夜は人目につきにくく、行動するには都合が良い環境でした。しかし、いくら修行を積んだ忍者と言えど、月の光さえない闇夜の雨の日に、何の明りもなく行動することは難しかったのでしょう。
現在に伝わる様々な忍術書には、雨でも消えない松明や、火種がない時でも炎がつく灯について記されています。
・・・略・・・明治35年発行の『最新秘法奇術』では100種類ほどの「役に立つ術」が列挙されている。最初の項目が「あらかじめ地震を知る方法」もはやこの時点でこの本の信頼度は極めて低いが・・・略・・・読んでいてばかばかしくなる・・・略・・・そんな「最新秘法」の数々を我慢して読み続けると、終盤にきて「水に入りても消えざる玉火を造る術」というものが出てくる。樟脳300グラム、硫黄11.25グラム、塩硝1.875グラム。これを練って火を灯せば、雨でも消えないという。・・・略・・・でたらめかと思ったが、文化2年(1805年)『佐久間流松明薬能書』という写本の「雨松明」と、この「造る術」がほぼ一致していることが分かった。佐久間流においいては、材料は同じだが、「造る術」より全て少量で、竹に詰めてから取り出すとなっている。
三重大学国際忍者研究センター「忍者学研究」から引用
以上の文章にあるやり方で作れば、水で消えない火がつくれるらしいです。
実際にやってみたいところですが、火を扱う以上、それなりの知識と場所がないと危ないので、今回は紹介だけにさせていただきたいと思います。
材料にあった、樟脳、硫黄、塩硝とはどのような性質を持つものなのでしょうか。
樟脳とは
独特の香りがあり、防虫剤でよく知られています。半透明の結晶で、セルロイドや無煙火薬などの原料にもなります。
硫黄とは
火山地域で産する自然硫黄や,硫化鉄鉱鉱床を形成する黄鉄鉱から得られます。固形時は淡黄色で無味無臭。黒色火薬の原料になります。
塩硝とは
硝石のことで、硫黄と調合して鉄砲火薬を製造する爆薬原料とされています。
まとめ
材料の性質を考えると、煙の出ない雨でも消えない火薬がつくれる・・・のではないかと思います。
通常、火は燃え続けるためには、空気中の酸素を必要とします。しかし、火薬は(種類にもよりますが)水中で空気に触れることができなくても火薬から酸素が供給され、燃え続けることができます。
つまり松明の燃料を火薬にすれば、雨でも消えない松明がつくれる、ということでしょうか?
うーん、実際に検証してみたいですね。
材料と作り方まで分かっていて、検証できないのは消化不足ですが、今回の記事はここまでです。
皆さんがこの記事を参考に、消えない火を作るのはご自由ですが、絶対に事故が起こらないように専門家のもとで行なってください。
当記事を参考にしたことによって何らかの事故が発生した場合の責任は負いません。
火の用心!焼き肉焼いても家焼くな!(年代がばれますね)